高校生の頃、私には悩みがありました。
告白されて彼氏ができるけれど、どうしても体を求められるのがしんどくて、一定以上仲良くなると急に冷めてしまい、別れる……ということを繰り返していました。周りはみんな性的なことに興味津々で、誰とヤっただのこういうのが気持ちよかったなど色々な話を聞きましたが、私は全然興味が持てませんでした。
「自分って変なのかな?」と不安になり、たまたま部活の空き時間に後輩の男の子(Aくん)と恋バナをしていた時、ぽろっとその悩みを打ち明けてしまいました。話しながら、「うわ私、かなりあけすけな話をしてしまっている」ととても恥ずかしかったのですが、Aくんは真剣に聞いてくれました。
Aくんはあくまで真面目に、
「先輩、ひとりでしてる?」
と聞いてきました。触ってみたことはあったのですが、触れるべき部位も気持ちよさもよくわからなかったので、私が首を横に振ると、「それじゃだめだよ」ときっぱり言われました。「まず自分の体のことは自分できちんと知らなきゃだめだよ、人に触らせることを許すのはちゃんと自分で把握したあとだよ」それはとても理にかなったことだな、と思って、そこからなぜだか話の流れでAくんにやり方を教わることになりました……
私たちは吹奏楽部でパートメンバーは2人しかおらず、音楽室から離れた教室で、いつも2人きりで練習していました。窓とドアを閉じ切って、教卓を動かして死角を作り、Aくんは私に教えてくれました。一番最初に「手洗ってきなよ」と言われて、廊下の流しに手を洗いに行ったのですが、「これからAくんの前で触るんだ」と思うと心臓が口から飛び出しそうなくらいドキドキしたことを覚えています。
Aくんは、見ないから、と言ってくれて、私はスカートのウエストから手を入れて私に触りました。「とんがってるところある?」「濡れてる入口を探すんだよ」と言葉で指示をしてもらって、私がなかなかたどり着けないでいると、「ちょっと手動かすね」と、スカート越しにAくんが私の手に触りました。「このへん?」と言われながら布越しにAくんの指が私の大きくなってしまった場所をかすめて、そのときはじめて、「これが気持ちいいってことなんだ……!」とわかりました。以降、大人になっても、ずっとこのときのことを思い出しながらしてしまう夜があります。後輩だったけれど紳士で素敵な人でした。



